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中国、AIIB対抗軸に「主導的参加」視野のワケ 「米抜きTPP」で揺れるアジア (1/2ページ)

 【シンガポール=吉村英輝、上海=河崎真澄】21日にベトナムで開かれる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)閣僚会合をにらみ、アジア各国の思惑が交錯している。日本などが米国抜きの11カ国による早期発効を目指す一方、米市場での商機拡大を期待していたマレーシアなどは、慎重姿勢を崩さない。中国は米離脱の間隙を突く形でのTPP参画も視野に入れ、会合の行方に強い関心を寄せる。

 マレーシアのムスタパ貿易産業相は3月、TPPを推進するか「態度は保留中」としながら、あくまでTPP参加理由が「米国市場への足がかりにある」として、米国抜きの協定への参加に否定的な姿勢を改めて強調した。ただ、閣僚会合での意見交換には意欲を見せ、米国の欠落を埋めるため「他国をTPPへ含めるかも議題だ」と述べ、その対象国として中国や韓国、ロシアなどを挙げた。

 マレーシアはマレー系や先住民を優遇する「ブミプトラ政策」を掲げるが、TPPの国営企業や政府調達の改革は、同政策に影響を与えかねない。それでも参加を決断したのは、タイなど周辺国との輸出競争にさらされる中、TPPによる米国市場獲得の優位性を期待したためだ。

 共産党一党支配が続くベトナムも、国営企業改革などが迫られるTPP参加を決めたのは「米国と中国の間で安全保障のバランスをとるため」(外交筋)とされる。だが、米離脱で参加理由は薄れ、南シナ海の領有権問題などで対立しながらも、経済面では中国との結びつきを強めている。

 その中国が、ベトナムを開催国とする閣僚会合に強い関心を示している。TPPを「中国包囲網」と懸念してきたが、米国の離脱で政治的意図は消失したと判断。閣僚会合の進展によっては、「中国がTPPに主導的な立場で参加を模索する可能性がでてきた」(中国の経済学者)という。

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