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【中国のコロナ戦争 漢方作戦とその実態】約7千人の治療部隊を武漢に派遣 「清肺排毒湯」が重症者に効果 (1/3ページ)

 新型コロナウイルスが世界的な流行となる直前の昨年春のことである。治療法がなく、連日数えきれないほどの死者が続き、惨状が伝えられた中国・武漢。都市封鎖(ロックダウン)の直後、当地で新型コロナ専門家チームリーダーに就いたのが、後に英雄とたたええられたのが、鍾南山医師(84)である。

 免疫学・呼吸機器学の権威で2002~03年にかけて発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際、感染を隠すなど実体と異なる発表を行う中国政府に、異を唱えたことで世界に知られた人物だ。

 その鍾氏とともに、中国国家衛生委員会が西洋医とは別に、中国伝統の漢方医と針灸師からなる約7000人の治療部隊を武漢に送り込んだことをご存じだろうか。

 中国では抗生物質もワクチンもなかったはるか昔から数限りなく感染症の流行が繰り返されたことで、病気との戦い方や教訓を集めた医学の古典『傷寒卒病論』がある。新型コロナもその一つであると考えれば、中国伝統の中医が“戦い”に参加した意味が分かる。

 初めに用いられた漢方薬は、SARS流行の際に鍾氏主導で開発された「蓮花清瘟(れんかせいおん)」だ。中国では発熱の初期の症状で用いると、清熱解毒(=熱を取り除くこと)や宣肺排泄(肺を解毒すること)に効果があるとされる。

 中国政府は、この蓮花清瘟とマスクを在外公館を通して、海外で生活する中国人に配布している。

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