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【ここまで進んだ最新治療】「復職しやすい」抗うつ新薬 認知能力向上でも可能性「ボルチオキセチン」 (1/2ページ)

 コロナ禍で、うつ病の不安を抱える人の増加傾向が指摘されている。

 うつ病の治療薬(抗うつ薬)は、これまで「選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)」▽「セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)」▽「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)」の3種類が主に使われていた。それが2019年11月に「ボルチオキセチン」という新しいタイプの抗うつ薬が登場した。

 従来の抗うつ薬と何が違うのか。東京女子医科大学病院・神経精神科の稲田健准教授が説明する。

 「SSRIやSNRIは、セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の再取込み(吸収分解)をブロックする薬です。NaSSAは、神経伝達物質が結合する受容体を刺激したり、遮断したりする作用があります。ボルチオキセチンは、これら従来の抗うつ薬が持つ作用を複数合わせたような薬と思ってもらえばいいでしょう」

 ボルチオキセチンは、2013年に欧米で承認されて以降、世界80カ国以上で承認されており、副作用が非常に少ない薬として認知されているという。たとえばSSRIで多くみられる吐き気や性機能障害(性欲低下や射精障害など)も起こりにくい。それに薬の血中濃度が半分に低下するまでの時間(半減期)が約66時間と、他の抗うつ薬(約10~30時間)と比べて長いので薬剤中断時の離脱症状の軽減にもつながるという。

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