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【ドクター和のニッポン臨終図巻】作家・半藤一利さん 死因は穏やかな「老衰」 (1/2ページ)

 1月17日。阪神淡路大震災から26年が経ちました。当時市立芦屋病院に勤務していた私は被災者の治療に死に物狂いでした。下敷きから掘り起こされた負傷者が次々と運ばれて病院の廊下に溢れました。なす術もなく亡くなっていく人を前に絶句したあの日は、まさに地獄絵でした。「まるで、戦場やな」

 四半世紀以上経った今、今度はコロナ禍によってまたあの時と同じ言葉を呟く日が来るとは…。病院やホテルが満杯なので、自宅待機を余儀なくされた「無治療感染者」からの悲鳴に、てんてこ舞いです。出口が見えない分、26年前よりもやりきれなさを感じます。そして不意に、戦争の真実を書き続けたこの人の本を読み返したくなるのです。

 『日本のいちばん長い日』などで知られる作家の半藤一利さんが1月12日に都内の自宅で亡くなりました。享年90。死因は、老衰との発表です。

 半藤さんは数日前から歩行が困難になりましたが、死の直前まで妻の末利子さんとお喋りをしていたといいます。その後、部屋で倒れているのを発見。かかりつけ医が駆け付けて、死亡確認したとのこと。お見事な平穏死であり、痛くない死に方だったとお見受けします。

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