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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】「歯周病と糖尿病」の関連を探る 九州大学大学院歯学研究院教授・西村英紀さん (1/2ページ)

 口腔疾患である歯周病が、全身の病気に関与している、とする研究報告が相次いでいる。九州大学大学院の西村英紀教授はまさにこの領域、中でも「歯周病と糖尿病」の関連を探る研究で知られる歯科医師だ。

 「私が大学を出た当時、研究の主流は虫歯で、歯周病は不人気な領域でした。ただ私には、歯という硬い組織だけでなく、歯を支える骨と歯肉、つまり硬い組織と軟らかい組織の双方を対象とする歯周病のほうが面白そうに見えただけです(笑)」

 当時は嫌気性(酸素を嫌う)である歯周病原菌を培養する方法が確立されていなかったことも研究を遅らせていたが、その後培養技術の進化を背景に、西村教授の研究は飛躍的に進化。その対象は口から全身へと広がっていく。それはまさに九州大学歯学部の理念である「口腔から全身の健康に貢献する」と合致する。

 中でも西村教授の研究の柱である「歯周病と糖尿病の関係」は、高齢社会に突入した日本において極めて重要なテーマだ。

 「歯周病の関与が予想される全身疾患はいくつかありますが、明確に関係が説明できるのは、現状ではほぼ糖尿病に限られる。この2つの疾患は双方にとって増悪因子として働き、どちらかを治療すればもう片方の病気の進行にブレーキをかけられることが分かっています。今後は他の全身疾患についても、歯周病が本当に関与しているのかを明らかにする検証作業が進んでいくでしょう」

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