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鉄道愛と人情あふれる街 都電荒川線・三ノ輪橋周辺

 東京で唯一の路面電車となった都電荒川線(東京さくらトラム)。終発着駅の三ノ輪橋停留場(荒川区)は「関東の駅百選」にも選ばれ、レトロで風情ある場所だ。周辺には昔ながらの商店街が広がり、ユニークなカフェや写真ギャラリーもある。鉄道愛と人情あふれる一帯を歩いた。

 まず停留場に近い飲食店「都電カフェ」へ。1950~70年代に使われた都電の系統板や行き先表示板が飾られ、都電のシルバーシートや小田急のロマンスカーの座席に座りながら食事を楽しめる。

 店内の展示物や備品のほとんどがオーナーの藤田孝久さんのコレクションだという。鉄道ファンの藤田さんは「ぜひここで旅行気分を味わってほしい」と話す。

 カフェを出て、そのまま商店街「ジョイフル三の輪」に入った。前身の商店街は19年開業といい、長い歴史がある。全長約420メートルのアーケード街に約90店舗が並び、青果店や総菜店がひときわにぎわっている。パン店の店先では「ぎっくり腰やったのよ」と話す中年の女性客を、女性店員が「気を付けなさいよ」と気遣うやりとりも。

 「あなたのお部屋に旅情を飾ろう!」というキャッチフレーズを掲げた店が目に飛び込んできた。人気鉄道写真家の中井精也さんのギャラリー兼ショップ「ゆる鉄画廊」だ。この日はディーゼル車「キハ40」が走る風景を収めた写真を展示、販売していた。

 店は2018年にオープン。ファンが全国から訪れるほか、隣にある銭湯の客が立ち寄り「あんた、写真うまいね」と言って帰ることもある。下町の何げない触れ合いを大切にしながら「ここから鉄道の魅力や日本の風景の美しさを伝えたい」と、中井さんは話した。

 【メモ】三ノ輪橋停留場は昭和30年ごろをイメージして再整備されており、今では珍しいほうろう看板が並ぶ。

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