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見かけは認知症だけど…コロナ禍の高齢者うつ病に気付いて 専門家に聞くアルツハイマー病と仮性認知症の違い (2/2ページ)

 アルツハイマー病は症状がゆっくり目につきにくい形で進むのに対し、うつ病では、身近な人が亡くなったことなどによる喪失感や孤立をきっかけに、比較的短期間で悪化。ストレスなどの環境に影響を受けやすい。

 「こうした特徴に加えて、食欲不振や睡眠障害がないかなど、総合的にうつ病の診断につなげる」と安野氏は話す。

 治療は置かれた環境を改善する働き掛けと、症状を緩和する薬剤の処方の2つが治療の基本。孤立感を和らげるために家族や地域の見守り、デイサービスの利用などで人との関わりを増やし、周囲に支えてもらう。

 治療薬も進歩した。以前のうつ病治療薬の多くは副作用が強く、高齢者に十分な量を処方できないことがあったが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの新しい薬は、比較的使いやすくなった。食欲不振などの副作用があるため、少ない量からの慎重な投与は必要だ。

 こうした治療を受ければ、回復が難しい認知症と違い、うつ病の症状は改善して心身の状態が元に戻る可能性がある。

 「治療効果を高めるためにも、本人や家族が、心身の不調に早く気付くのが大切。『持病の薬をきちんと飲んでいるのに体調が悪くなった』など心当たりがあれば、普段の状態をよく知っているかかりつけ医に相談してほしい。身体症状の検査を受けるなどしても不調の原因が見当たらなければうつ病が疑われる。精神科に紹介してもらうのがいい」(安野氏)

 この手順なら精神科受診時に身体の状態が分かっており、診断、治療も早められるという。

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