記事詳細

【腎臓病最新治療リポート】「腹膜透析」など個別化医療の時代へ 患者の治療への積極参加が不可欠 (2/2ページ)

 せっかく医学が進んでも、医師が興味を持たなければ意味がない。この閉塞した状況を打開する手立てはあるのだろうか。

 「SDM(共同意思決定)という考え方の導入が急がれています」と語るのは群馬大学大学院医学研究科教授の小松康宏医師。詳しく解説してもらう。

 「SDMは以前からがん治療や緩和医療などで使われてきた手法で、医療において患者の価値観、生活の質を重視するようになった20世紀後半に広まったもの。医師と患者が科学的根拠に基づくあらゆる情報を共有し、双方が完全に合意したうえで治療を進めていく、という考えで、医師が一方的に進める、あるいは患者がよく理解していないまま治療が進められる、ということがない医療の形です」

 インフォームド・コンセント(説明と同意)を進化させ、患者の生活状況や環境、考え方に沿って医療を組み立てる、個別性の高い医療の仕組みといえる。

 「治療の選択肢が複数あって、どれを選ぶか迷う状況というのはあるもの。その時に医師任せにするのではなく、一緒に考え、方針を定めていくことで、患者自身が治療に積極的になれるのです」(小松医師)

 がん治療にゲノム診断が導入され、医療の個別化は加速度を付けて進んでいる。日常生活に大きな制限が加わる腎臓治療において、“個別化”は極めて重要な要素だ。

 医療は医師任せではなく、患者が積極的に参加する時代-。そのためには患者自身が学び、リテラシー(物事を正確に理解し、活用できる能力)を身に付ける必要があるのだ。(長田昭二) =おわり

関連ニュース