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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】高齢者歯科の黎明期から取り組む 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長・菊谷武さん (1/2ページ)

 近年、歯科領域で話題の「オーラルフレイル」。加齢に伴い口腔機能が弱くなり、噛む、飲み込む、話すといった機能に支障をきたす状態を指す。こうした口腔機能の診断と治療を柱にしたのが日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック(東京都小金井市)である。院長の菊谷武歯科医師は、高齢者歯科に黎明期から取り組み、臨床の仕組みを築き上げてきた第一人者だ。

 「大学を卒業した年に高齢者歯科の教室が新設されたのがきっかけ。“新しい物好き”の性格だっただけで、高い志を持ってこの道に進んだわけじゃないんです(笑)」

 学問としての体系ができていない中での研究は暗中模索だったが、「目の前の患者のためにどうすべきか」を考え、実践することで、解釈を積み上げていった。次第に「口腔リハ」という診療領域が、目に見えるものとして形作られていく。

 「噛むことは飲み込むことにつながり、飲み込むことは栄養につながる。栄養は生きることそのものであり、食べることは人生の楽しみ-従来の歯科医療に希薄だったこの理解が深まったことで、私自身の軸足も定まっていった感じです」

 大学直轄の附属施設でありながら、いわゆる大学病院ではなく、地域医療の一翼を担う歯科診療所としての役割にこだわる。外来では嚥下造影検査など専門性の高い検査にも対応し、訪問診療ではコロナ禍以前からオンライン診療を導入するなど、先進技術を積極的に取り入れてきた。

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