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【ここまで進んだ最新治療】膝痛の手術を延ばす「再生医療」とは? 血小板の成長因子が自然治癒力を高める『PRP療法』 (1/2ページ)

 膝(ひざ)の関節内の組織に炎症が起こり、軟骨が変性する「変形性膝関節症」。主な症状は、膝関節に水がたまったり、痛みが生じること。治療は、消炎鎮痛薬やヒアルロン酸注射などを使う保存療法と、関節の変形や痛みが強くなった場合に行われる手術療法(人工関節など)がある。

 しかし、家族の介護や仕事の関係などから、まだ手術は受けられないという患者もいる。そこで近年では、保存療法と手術療法の中間的な位置付けで「再生医療」が自由診療で行われている。どんな治療なのか。「井上整形外科」(東京都台東区)理事長の井上靖雄医師が説明する。

 「変形性膝関節症の再生医療で、主に用いられているのは『PRP(多血小板血漿)療法』です。患者さん自身の血液を採取後、遠心分離機で濃縮して特定の成分(PRP)のみを抽出し、膝関節内に注射で注入します。血中に含まれる血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用し、自然治癒力を高める治療法です」

 PRPは、含まれる成分量(抽出するキットが違う)によっていくつか種類がある。白血球を多少含む「LP-PRP」、血小板も白血球も多く含む「LR-PRP」。そしてLR-PRPをさらに遠心分離し、脱水・濃縮すると炎症を抑える良質なタンパク質が豊富に含まれる「APS(自己タンパク質溶液)」になる。

 APSは次世代PRPと呼ばれ、2018年8月から始まったばかりの新しい治療法。PRPより治療効果が高く、効果の持続期間も長いという。昨年5月から同院で行っているのは、LR-PRPを使うPRP療法とAPS療法だ。

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