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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】効果と副作用を見極めた処方…腫瘍内科医の使命 昭和大学藤が丘病院腫瘍内科・緩和医療科教授、市川度さん (1/2ページ)

 「大腸がん治療の名医特集」の第2回は、昭和大学医学部教授で同大藤が丘病院腫瘍センター長の市川度医師。消化器外科医として豊富な経験を重ねたのち、腫瘍内科に転じた。その転機は、ある出会いがきっかけだった。

 「佐々木康綱先生(現・昭和大学客員教授)に誘われたんです。もともと日本では外科医が抗がん剤治療も担当する仕組みで、私もそれなりにやってはいましたが、真剣に勉強してみると奥が深い。一から出直すつもりで腫瘍内科に移りました」

 重視するのは、その薬が患者の体内でどう作用しているのか(薬物動態)を的確に見極めること。

 「従来の考え方は『この薬はこれだけ使う』という、製薬企業の決めた通りに使うものでした。でも、実際の効き方は人によって異なる。遺伝子を調べて効果を予測し、その人にとって最大限の効果と最小限の副作用のバランスを考えた処方をするべきです。そこに腫瘍内科医の“さじ加減”が生きてくる」

 近年は同じ大腸がんでも、左右どちらにできたかによって違う特性を持っており、薬を使い分けることで効果が大きく異なることがわかってきた。

 「なのに『顔に皮疹が出る』などの理由で、昔ながらの使い方を続けている医師がいる。命と皮疹のどちらが重要なのかは患者自身が決めること。治療法の説明すらしないのはコミュニケーションが取れていない証拠」と手厳しい。

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