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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】何でも診る地域密着の頼れる医師 安部医院(西東京市)院長・安部浩一さん

 東京都西東京市。西武新宿線「西武柳沢駅」から徒歩2分。閑静な住宅地に建つ瀟洒な建物を見て、ひと目でそれがクリニックとわかる人はいないだろう。

 1959年開業の安部医院は、耳鼻咽喉科、内科、小児科、皮膚科を標榜する地域密着型の診療所。院長の安部浩一医師は、両親が運営してきた同院を継ぐ意思を持って医学部に進んだ。卒業後は都内の高機能病院で臨床実績を重ね、30代なかばでクリニックを継承。

 「耳鼻科を選んだのは母が耳鼻科医だったから。ただ、開業するからには診療科の壁を作らず、何でも診ることをテーマに掲げていました。妻が内科医なので、耳鼻科と内科はカバーできます。そこで開業前に勤務していた病院で小児科の勉強をして、これも標榜できるようにしました」

 現在でいう「総合内科医」の姿を、30年近くも前に模索していた安部医師。現在は週1回、皮膚科医による外来診療枠も設けており、当初描いていた「何でも診られる診療所」の設計図は、ほぼ実現した。

 「ここですべての治療が完結するわけではないが、地域の人たちに『あそこに行けばその先の道筋が見えてくる』と思ってもらえる存在でありたい。手術などの高度な治療が必要な場合は、その領域で私が最も信頼する医師に紹介します」

 そう語る安部医師の、もう一つのこだわりが、労働環境の質だ。

 「スタッフが気持ちよく働けない場所で、患者さんに最高の対応ができるはずがない。最良の医療を提供するには、まずスタッフが喜びを感じられる環境を整備する必要がある」と考え、徹底した職場環境の充実に力を入れる。今年、クリニックの隣接地に、スタッフの休憩室と更衣室などの専用棟を増築するなど、働き方改革の一歩先を行く取り組みを進める。

 来年には診察室を一つ増やして、常時3人の医師が対応できる体制を整える。理想のクリニック像が、いよいよ現実となって見えてきた。(長田昭二)

 ■安部浩一(あんべ・こういち) 1959年、東京都生まれ。87年、東邦大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、国立身体障害者リハビリテーションセンター病院勤務を経て、95年から現職。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医・補聴器適合判定医・東京都地方部会代議員。北多摩耳鼻咽喉科学会常任理事。趣味はドライブ。

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