【続々・長生きは本当に幸せか】「人生会議」ポスター騒動の本質 「終末期治療」を生前に決めておくべき理由 (1/2ページ)
先日、厚生労働省が作成した「人生会議」のポスターが批判を受け、わずか1日で自治体への発送が中止となりました。お笑い芸人の小籔千豊さん(46)が、ベッドでチューブにつながれ、死に瀕した状態で後悔のつぶやきをするという内容です。
批判されたのは、小籔さんの写真とつぶやき。写真のほうは、たしかにあまりにリアルすぎて、死を遠ざけるものにしてしまった現代社会から見ると、顔をしかめる人も多かったと思います。
しかし、つぶやきのほうは、それほど批判するようなものではないと思います。ここまで言わなければ伝わらないだろうと、むしろ納得したぐらいです。
「患者にも家族にも配慮がない」「不安をあおる」「脅しともとれる」というのが、批判の主な論点ですが、むしろ、この批判によって、「人生会議」がなんであるか知った人も多いのではないでしょうか?
ポスターは、こうつぶやいていました。
「まてまてまて 俺の人生ここで終わり? 大事なこと何にも伝えてなかったわ」「あーあ、もっと早く言うといたら良かった! こうなる前に、みんな『人生会議』しとこ」「命の危機が迫った時、想いは正しく伝わらない」
つまり、もう死ぬとなって意識もほとんどなくなったときでは手遅れと訴えているのです。なんで手遅れかと言えば、いまの日本の終末期医療にかかると、自然に死なせてくれないからです。私に言わせれば、「人間の尊厳を損なう医療」が行われているのです。