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【阿部亮のつぶやき世界一周】インド社会では「名字を聞いてはいけない」 カースト差別禁止へ政府の“苦肉策”も…

 今はやりのビッグデータ解析の仕事をしている知人がいる。そこで必要になるのが、統計解析が得意なコンピューター技術者。彼の勤める会社では、その仕事にインド人を複数人採用していて、同僚として彼らと親しくなって、インド社会のさまざまな話を聞いたら、驚嘆することばかりだったそうだ。

 その1つが「インド人に名字を聞いてはいけない」ということ。

 インドでは、大昔(紀元前13世紀頃)から、バラモン教が信仰されていて、そこから派生してヒンドゥー教が、後には仏教が生み出された。バラモン教は、司祭(=バラモン)を頂点とする4種類の階級制度(カースト)を前提とする宗教。カーストは、生まれたときに親から引き継がれるモノで、それによって職業や婚姻、その他さまざまな社会制度・制約が決定されてしまう。

 そして、出身地や部族や職業と、そこから判断できるカーストを表すのが名字。1950年、インドでは、カースト差別を禁止する憲法が制定されたが、3000年以上も継続している社会習慣は、容易には変えられない。そこでインド政府は、「名字を公開しなくて良い!」という政策を採用し、何と免許証やパスポートなど、公に発行される身分証を「名前だけ」で作ることが可能になったのだ。

 ただ、そこで問題になるのが、同じ名前の人が大勢いること。そこでインドでは、名前と生年月日に加え、「父親の名前」で個人を識別する。

 2020年代後半にも、中国を抜いて世界最大の人口になり、経済大国化が予想されるインド。知らないことがたくさんある。

 ■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。

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