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【ここまで進んだ最新治療】重症心不全の新治療「マイトラクリップ」 外科手術のハイリスク患者が対象 (1/2ページ)

 心不全を起こす心臓弁膜症の1つに「僧帽弁閉鎖不全症」がある。心臓の左心房と左心室の間にある弁(僧帽弁)がうまく閉じなくなり、血液が左心室から左心房へ逆流する病気。初期は症状が現れにくいが、進行すると息切れ、呼吸困難、むくみなどが現れる。

 治療の基本は薬物療法だが、入院が必要な重症の心不全をきたすようになると外科手術(弁置換術・弁形成術)が検討される。昨年4月には、新たに「マイトラクリップ」というカテーテル治療が保険適用になった。東京女子医科大学病院・循環器内科の山口淳一特任教授が説明する。

 「心不全の原因となる重症僧帽弁閉鎖不全症の治療の第一選択は手術です。手術では胸を大きく切開し、心臓を停止させ、人工心肺を用いる必要がありますが、心臓の機能が極めて悪かったり、高齢や持病などで手術ができない患者さんも少なくありません。マイトラクリップは、外科手術のハイリスクの患者さんに行う治療法です」

 マイトラクリップは、2008年に欧州、13年に米国、日本では15年からの治験を経て、昨年認可された。現在、世界で8万人以上の患者がこの治療を受けているという。

 治療は全身麻酔下で、X線透視、経食道心エコーの画像を見ながら行う。脚の付け根の静脈から直径約8ミリのカテーテル(細い管)を心臓まで挿入し、右心房から針で孔(あな)を開けて左心房に入り、カテーテルの先端に付いたクリップ(幅5ミリ、長さ15ミリ)で僧帽弁の一部を挟んでつなぎとめることで血液の逆流を減らす。クリップはそのまま残し、カテーテルを抜き取り終了。

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