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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】脱「狐臭」で英国「注目の100本」頂点に 宮崎県「都農ワイン」 (1/2ページ)

★宮崎県「都農ワイン」(上)

 宮崎県都農(つの)町は、県内一の食用ブドウの生産地だ。ここでブドウ栽培が始まったのは、1950年代。永友百二という人が、水はけが良すぎて良い米がとれない土地に、ブドウを根付かせた。今では「尾鈴(おすず)ブドウ」という名で、キャンベル・アーリーを栽培・出荷している。

 宮崎は、冬が短い。だからブドウは早くから芽吹き、収穫が早い。夏に収穫したブドウを、全国に先駆けて出荷できるので高値で売れる。だが、他県のブドウが出回るお盆過ぎには、価格が下落してしまうのが悩みだった。

 そこで町は、このブドウをワインにして売ろうと考え、第三セクターで都農ワインをスタートさせた。1996年のことだ。その3年前から発足に加わったのが、地元の高校を卒業したばかりの赤尾誠二さんだった。農業高校の食品科学科で、微生物を学んだとはいえ、まだまともにワインを飲んだこともない18歳。当人いわく、「クルマとオネーチャンにしか興味なかった」そうだ。

 当時、日本ワインは、高くてまずいと言われていた時代。とくに、食用ブドウのワインは、全く評価されていなかった。中でもキャンベル・アーリーは、ワインにした場合、醸造過程で酸化が進み、フォクシー・フレーバー(狐臭)という異臭が発生する。

 赤尾さんは、これを解決するため、ブドウ果汁の酸化を抑えることにした。窒素ガスをタンクに注入し、ブドウ果汁が空気と接触するのを防いだのだ。また、衛生管理を見直し、醸造設備の消毒・清掃を徹底した。

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