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【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】ヨーロッパ最古の都「プラハ歴史地区」 モルダウの調べが響く「百塔の町」 (1/2ページ)

 ドボルザークの『交響曲第9番(新世界より)』を聴くとチェコの都プラハの光景を連想すると同時にスメタナの「モルダウ」で有名な組曲『わが祖国』という曲名も思い出されます。

 私はこの「祖国」という言葉に何か不思議な優しい響きを感じるのですが、それは1964年の東京オリンピックにおける女子体操競技で、当時の宿敵ロシア(旧ソビエト連邦)を倒して金メダルを獲得したプラハ出身のベラ・チャスラフスカのイメージがあるからです。

 プラハはヨーロッパでも最も古い都市の1つで、モルダウ川が町の中心をゆったりと流れ、プラハ城、聖ヴィート大聖堂、中世以来のカレル橋などが有名ですが、城塞のような塔が多いことから「百塔の町」とたたえられる美しい都です。

 しかし、ベラ・チャスラフスカが活躍した当時のチェコスロバキアは、「プラハの春」で知られる激動の時代で、彼女は気丈にも一人、祖国を背負って戦っていたように思えたのです。

 その類(たぐい)まれな美貌と彼女の瞳の中に秘められた孤独そうな「祖国魂」が、まだ小学生であった私の胸に焼き付いています。また、ドボルザークのメロディーにも彼の気高い優しさとスラブ民族への愛、そしてベラと同様に祖国への想いが込められています。

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