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【BOOK】若くして成功した主人公…ある部分は僕で、ある部分はそうでない 古市憲寿さん「平成くん、さようなら」 (1/3ページ)

★古市憲寿さん 『平成くん、さようなら』文芸春秋(1400円+税)

 「平成」の幕開けとともに生まれた平成(ひとなり)くん。若くしてメディアの寵児(ちょうじ)となり、カネには困らない。豪華マンションにカノジョと住んでいるが、セックスは嫌い。唯一の希望は、安楽死…。芥川賞候補となり落選はしたが、今も売れ続けている話題作。これってヤッパ、ご本人のこと?(文・梓勇生 写真・寺河内美奈)

 --トントン拍子で脚光を浴びて、30歳前に成功を収めた主人公。モデルはどうみても…

 「ある部分は僕で、ある部分は、そうではない。意図した部分もあるし、結果的に似てしまった部分もある。まぁ、僕自身が何がしか投影されているのは否定しません。僕は昭和の最後の方(60年)の生まれで、実際は“平成育ち”といったところですけどね」

 --若くして頂点を極めてしまった平成くんは「もうこれ以上のことはできそうもない」と、安楽死を望むが

 「同世代のクリエーターやミュージシャン、作家を見ても、若くして注目された人は、それゆえの共通の悩み、葛藤があるんです。つまり、今の成功の『次』はどうするのか? ということですね。同じ路線でやり続けるのか、違う挑戦をするのか。僕はそんな葛藤はないし、やりたいことがなくなったわけでもありません。ただ、その気持ちは分かりますよ」

 --「安楽死」をテーマにしたのは

 「平成の時代に出生率が下がったり、若い世代の死因のトップが自殺だったり…社会全体が『安楽死』に向かっているとも言えます。(ネットなどで)リアルじゃない、と批判もされましたが、もともとフィクションの世界を書いているので別に気にはなりません。むしろ、賛否の議論を起こしたいと思って書きましたから。タブーにすることが一番よくない」

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