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【「腎不全」から身を守れ】20年後の腎不全を回避する「50代での予防・改善」 メタボ放置は危険 (1/2ページ)

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 加齢や生活習慣病により、腎機能は無症状で徐々に低下してゆく。国内の慢性腎臓病の患者数は約1330万人。腎臓は人間が生きていく上で不可欠な臓器ゆえに、機能が失われた「腎不全」の状態では人工透析治療が必要になる。その患者数は33万人を超え、新規患者数は右肩上がりに伸び続けている。

 「人工透析治療開始の年齢のピークは75歳から80歳です。加齢に伴い腎機能は低下しますが、それに拍車をかけるのがメタボリックシンドロームを含めた生活習慣病です。50代での予防・改善は、20年後の腎不全を回避する最大の方法と心得ていただきたい」

 こう話すのは、筑波大学附属病院副病院長で、腎泌尿器内科診療グループ長の山縣邦弘教授。慢性腎臓病治療の第一人者で、最先端の診断・治療の研究も行う。

 腎臓は、濾過(ろか)装置ともいうべき0・2ミリ程度のネフロン(糸球体や尿細管などから構成)という組織で成り立っている。1つの腎臓にネフロンは約100万個。加齢とともにネフロンは壊れて再生されない。ネフロンの破壊を急速に後押しするのがメタボなどの結果生じる動脈硬化だ。糸球体は微細な血管の塊ゆえに、メタボで動脈硬化が進むと破壊されてしまう。

 「仮にメタボの状態を放置し、ネフロンが年間20万個ずつ壊れたとしても、残りのネフロンでカバーするため、健康診断では正常な値といわれることが多い。5年間で左右の腎臓合わせてネフロンが100万個壊れても、検査数値には出にくいのです。しかし、6年目以降、検査値の変化が明瞭になるとともに、急速に腎機能は低下していきます」

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