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【ドクター和のニッポン臨終図巻】「忍耐、勇気、創造の人生」をまっとう 哲学者・梅原猛さん (1/2ページ)

 日本を代表する知の巨人がまた一人逝ってしまいました。哲学者の梅原猛さんが1月12日に京都市内の自宅で亡くなりました。享年93、死因は肺炎ですが、限りなく老衰に近いものとお見受けします。梅原さんは60歳のときに大腸がんになりましたが、それから30年以上も偉大な仕事をし続けられたことに、60歳の私は、ただただ頭が下がります。

 「人生は、ただ向こうから与えられるものではない。自ら創ってゆくものである。自ら創ってゆくにはやはり三つの段階が必要なのだ。ラクダの人生とライオンの人生と小児の人生。言い換えれば、忍耐の人生。勇気の人生。そして創造の人生である」

 若いころに読んだ梅原さんの著書に書かれていた、この言葉を今もときおり思い出します。

 人生の3段階が忍耐、勇気、そして創造だとはなんともユニークな提言です。創造の時代が、最後にやってくるというのが、またいいではないですか。私も還暦なので、創造の時代に突入したいのですが、現実はなかなかうまくはいかないものです。

 もう一つ、梅原さんの著書から教えられたのが、「草木国土悉皆成仏」という涅槃(ねはん)経にある言葉です。日本で最初に言い始めたのは空海らしいですが、元はお釈迦様の言葉だとか。草や木のように心を持たないものでも仏性を有しているからすべて成仏できる、という意味です。このような仏教思想を研究し続け梅原さんは、脳死の人からの臓器提供を可能とした「臓器移植法」(1997年施行)に反対をしていました。

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