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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「聖」》いつでも心の自由は保ちたい

 身に着けるものひとつ変えることで、人は元気になったり、勇気を得たりすることができる。

 夫を亡くして元気がなかった人が、「こんな色の洋服が欲しい」といって好みの洋服を着たとたん、ぱあっと明るい表情になったり、心を病んでいた人がおしゃれに気を使い始めたとたん、積極的に出かけるようになったり。洋服まわりの取材をしていると、そんな話を耳にすることがたまにある。かくいう私も時折、洋服から元気や勇気をもらうことがある。

 途上国を生産拠点にし、都会の女性が使いやすいアイテムを展開するブランド「マザーハウス」(東京都台東区)の新しいアパレルシリーズ「ファブリックマザーハウス」の取材では、ふんわりしたシャツの襟ぐり近くに、すてきな洋服タグを見つけた。タグにあった文言は、「FABRIC OF FREEDOM(自由の布)」で、「カディ」と呼ばれる、インドに伝わる手紡ぎ・手織りの綿の布を使ったアイテムに付けられていた。

 カディが自由の布と呼ばれる理由は、インドの独立運動指導者、マハトマ・ガンジー(1869~1948年)とのつながりにある。ガンジーが静かに糸車を回していた姿は世間によく知られているが、彼がインドの人々の貧困解消と自治を目指して推奨したのが、手紡ぎ・手織りの「カディ」の服の生産と着用だった。

 カディのチェスターコートを羽織ってみると、とても軽く、腕まわりが動かしやすい(さすが自由の布!)。決して厚い生地ではないが、そこそこ暖かいのは、布に天然繊維ならではの凹凸があり、そこに空気を含むため体温を逃さないからだそうだ。

 「自由の布」というタグが気に入り、シャツは私の来年のワードローブ計画にリスト入りを果たした。

 来る2019年はガンジー生誕から150年。楽しいことも、理不尽なこともいろいろ起こるだろうけれど心の自由は保ちたい。時々は、洋服の力を借りて。(A)  

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。12月のお題は「聖」です。