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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「聖」》支えになっている言葉

 中学高校は、兵庫県内にあるミッションスクールに通った。毎朝校内にあるチャペルで礼拝が行われ、私たち生徒はパイプオルガンの演奏に合わせて賛美歌を歌ったり、祈りを捧げたりする。

 とりわけ印象に残っているのが、暗唱聖句の時間だ。礼拝の終盤に、聖書に書かれている一節を皆で暗唱する。聖句は週ごとに決められた週間聖句と年度ごとに決められた年間聖句があり、入学した年度の年間聖句は何となくその学年の生徒たちにとっての「テーマソング」ならぬ「テーマ聖句」になっていた。

 私が入学した年度の年間聖句は、「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」(ローマの信徒への手紙12:12)。阪神大震災が発生した翌年で、一部の校舎はまだ倒壊したままで被災した生徒も多く、それでも未来に希望を持ってほしい、という意味がこめられていた。

 学年ごと開かれる礼拝では、暗唱聖句としてこの聖句が選ばれることが多く、必然的に6年間でよく口にした聖句の一つとなったが、大阪府内に住んでいた私は震災の被害が比較的軽度だったせいか、当時は正直そこまで思い入れがなかった。

 だが卒業後、クリスチャンでない私が礼拝に出席する機会もほとんどなかったにもかかわらず、意外とこの聖句を思い出すことが多いことに驚いた。

 つらい取材に臨まなければならないとき、上司に怒られたとき、たくさんの原稿を抱えているとき、この聖句を心の中で唱える。そうすると、不思議と背筋が少し伸びて前向きな気持ちになれるのだ。

 実は、「好きな言葉」にこの聖句を挙げている同級生は他にも何人かいる。聖句を通じて、勉強に部活に友人関係に、大いに悩みもがいた思春期時代に思いをはせて、今の自分を叱咤激励する人もいるのではないだろうか。あのころ何度も繰り返し口にした言葉が、今では心の支えになっている。(江)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。12月のお題は「聖」です。