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【松浦達也 肉道場入門!】台湾で食べた鶏の丸焼き「桶仔鶏」の香ばしさ (1/2ページ)

★絶品必食編

 台湾グルメと言えば、“粉もの”の印象が強いが、実は肉料理も実に旨い。

 朝市では解体されたての豚肉が部位ごとに並べられ、仕分け後の内臓も吊るされていたりする。振り向けば、羽根をむしられた首つきの丸鶏がずらり。

 実は庶民の肉食文化という意味では、台湾は日本よりもはるかに肉に親しんでいる。先日、台湾を訪れたとき、「桶仔鶏(トンザイジー=バケツ鶏の意)」という品を口にして、痛切にそう感じた。桶仔鶏は、調味液に浸けこんだ丸鶏をドラム缶のような窯でじっくり焼き上げた鶏のロースト。伝統的な「薪×土窯」で焼き上げる地方の店もあれば、「ガス火×ステンレス窯」で焼く台北の店もある。

 ジューシーでしっとりなめらかな口当たりながら、鶏肉の味が濃厚で皮も香ばしい。肉の香ばしさだけでなく、ほのかに薫香を当てたような香りもする。

 今回訪れた店では三温糖を窯内に散らして、カラメル香と焦げ臭をまとわせていた。こうした香りは国内ではまず味わえない。和食では「焼き目」はともかく「焦げ」は徹底的に排除するからだ。

 卓上に鶏が供されると、たちまち歓声が上がる。しかし鶏の解体も客の仕事のうち。用意された軍手の上から調理用ビニール袋をはめ、両手で解体を進める。

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