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【松浦達也 肉道場入門!】“名店修行”が生んだ締めの「きじ丼」 東京・荒木町「焼鳥 多喜」 (1/2ページ)

★絶品必食編

 言うまでもなく、焼鳥店の生命線は「焼き」である。だから焼きの上手い焼鳥店を見つけるとつい顔がほころんでしまう。

 今年4月、東京・荒木町にオープンした「焼鳥 多喜」。西麻布と赤坂の「鳥よし」で足かけ16年間、修行を積んだ滝澤文康氏が開いた焼鳥店だ。

 修行は裏切らない。この主人の焼きにはおよそ新店らしからぬ安定感がある。

 脂の乗った伊達鶏の皮は、いつも香ばしく心地いい食感に焼き上げられている。

 さび焼きは鶏の味を十分に引き出すように熱が通され、精妙な火入れのレバーは濃厚でねっとりと甘い。

 焼きの技術が集約されるのが名物の「きじ丼」だ。皮は香ばしく、しっとりと焼き上げられた身はパンと張り、立体的に視覚へと飛び込んでくる。その香ばしさに誘われるまま丼を持てば、いい塩梅のタレがかっこむ速度を加速させる。

 実はこの場所には、今年の初めまで20年以上「鳥こう」という焼鳥店が営業していた。しかし今年になってのれんを畳むことになった。

 その「鳥こう」の店主は、「多喜」の修行先である「鳥よし」店主の修行時代、苦楽をともにした兄弟子だった。

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