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【松浦達也 肉道場入門!】肉で世界一周できる銀座の名店「マルディ・グラ」

★絶品必食編

 東京・銀座には自由闊達な肉の店がある。「マルディ・グラ」のオーナーシェフは、肉焼きシェフとして知られる和知徹氏。

 フランスの星つきレストランなどを経ただけあって、基本となる技法はフレンチ。ただしその後料理長をつとめた銀座伝説のワインバー「グレープ・ガンボ」同様、フレンチというカテゴリーにとらわれているわけではない。

 しかも和知氏はただの「肉焼きシェフ」ではない。世界中を巡り、世界の肉料理に触れてきた。随時入れ替わるメニューも、イタリアのビステッカやアメリカのスペアリブのようなメジャーな肉料理もある。

 その一方で「ラム肩肉・牛シンタマと内臓のグリル アルゼンチンスタイル」やブラジルの海岸の名を冠した「イパネマステーキ」のような南米由来のメニューもあれば、「仔羊肩肉のタジン」といったアフリカ由来のメニューが登場することも。

 扱う肉の種類も多種多様。もちろん仕入れによって自在に変わるのだが、牛なら黒毛和牛に短角牛、USビーフなど複数を揃えるのは当たり前。豚も世界的なブランド豚のイベリコ豚から、沖縄の原種に近い今帰仁アグーを仕入れることも。さらに鶏、鴨、子羊…。ああ、もうキリがない。

 「調理法×肉」の種類で掛け合わせると、無限に広がる肉の世界が展開されている。

 正統派のフレンチ技法を駆使しながらも、世界のあちらこちらの地方に継承されてきた調理スタイルをも取り入れる。世界中のさまざまな「旨さ」を知るシェフだからこそ、未知なる味に出合える。それが「マルディ・グラ」という肉レストランなのだ。

 この店の肉メニューを眺めていると、肉で世界一周旅行に出るようなワクワクした気分にさせられる。

 ちなみに店名の「マルディ・グラ」とは謝肉祭の最終日を意味するが、旅するように世界の肉料理を提供するこの店の祭りは終わることを知らない。 (火曜日掲載)

 ■松浦達也(まつうら・たつや) 編集者/ライター。レシピから外食まで肉事情に詳しく、専門誌での執筆やテレビなどで活躍。「大人の肉ドリル」、「新しい卵ドリル」が好評発売中。

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