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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】極上の飛騨牛と絶妙マッチ キレが良く上品な仕上がり「蓬莱」 (1/2ページ)

★岐阜県「蓬莱」(下)

 飛騨観光の中心地、高山よりさらに奥にある古川。アニメ映画「君の名は。」の聖地でもあるここの地酒が「蓬莱(ほうらい)」だ。醸す渡辺酒造店は、「日本で一番笑顔あふれる蔵」を標榜している。

 蔵元の渡邉隆さん、アメリカ人蔵人のダリル・コディーさん、杜氏の北場広治さんに、半ば強制的に地元の蕎麦屋へ案内され、ネギ味噌天などの郷土料理をつまみに昼酒が始まった。この酒が激ウマ! きれいでキレが良く、上品な仕上がりだ。

 軽く酔っ払ったところで、いよいよ酒蔵へ。麹室は2つあり、大吟醸用の室は3つの部屋に分かれているぜいたくなつくり。改装中の部分は、原料処理室と釜場。和釜と甑を導入予定で、さらなる酒質の向上を図る。サーマルタンク(冷却装置付きタンク)には、見学者の寄せ書きがびっしり。良い酒ができるよう、「感謝」や「愛」など、良い言葉を書いてもらっているという。

 と、そこへなぜか河童が登場。緑色の全身タイツに身を包み、河童のお面をかぶった蔵人さんが、タンクで櫂(かい)入れ(=発酵のため材料を棒で混ぜる作業)をしているではないか。そうかと思うと、ふんどし一枚の顔ハメ看板があり、顔をはめて写真をパチリ。「渡辺酒造店に隠し事は一切ありません」というキャッチコピーとともに、記念写真が一丁上がりというわけだ。

 試飲した中では、無濾過生原酒の「W(ダブリュー)」シリーズが秀逸だった。つくりはすべて同じ純米大吟醸で、米だけが違う。「愛山」は深みと旨味があり、「強力」はスッキリとしているなど、米による味わいの違いが面白く、かつコクとキレのバランスも素晴らしい。

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