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【どこまで分かる その検査】消化器がん発症リスクが採血5ccで判明、90%以上の高精度「マイクロアレイ血液検査」

 「胃がん」「大腸がん」「胆道がん」「膵臓(すいぞう)がん」の4種の消化器がんの発症リスクを採血(5cc)で判定できるのが「マイクロアレイ検査」だ。金沢大学の研究グループなどによって得られた研究成果を基に開発された検査方法で、9割以上の高い精度でがんを早期発見できるとされる。

 血液中の何を調べるのか。2年前から導入している「弥生ファーストクリニック」(東京都中野区)の早川佳代子院長が説明する。

 「体内の免疫の防御システムが、がん細胞を攻撃する際に生じる特定の『m-RNA(メッセンジャーRNA)』という遺伝物質の増減を測定しているのです。遺伝子レベルで判定するので、画像診断など視覚的に確認できない微小ながん細胞も検知できる可能性が高いとされています」

 「(DNA)マイクロアレイ」とは「DNAチップ」とも呼ばれ、DNAやRNAの遺伝子発現量の測定に使う分析器具のこと。一度に数万から数十万の遺伝子発現が調べられる。この検出法を用いて、m-RNAの種類や量を調べて消化器がんの可能性を探るのだ。

 4種のがんのリスク判定は、次の3段階の解析によって行われる。(1)がん・炎症により変動する2665種のm-RNA発現量(2)消化器がんにより変動する21種のm-RNA発現量(3)各臓器のがん症例のm-RNAの発現パターン。

 「臨床研究では、実際に消化器がんの人を陽性と判定できた感度は98・5%で半数はステージII以下、消化器がんでない人を陰性と判定できた特異度も92・9%と高精度の結果が出ています。また、消化器以外のがんや炎症・ポリープなどの前がん状態と考えられる場合でも、類似の発現パターンを示すことが報告されています」

 検査を受けてから結果が出るのは約1カ月後。結果報告書には、「消化器全般」「胃・大腸」「膵臓」「胆道」の項目ごとに10段階でリスク評価が表示される。各解析の結果も、自分の検体が陽性群と陰性群のどちらに属するのかなど、グラフを使って細かく表示される。

 がんの有無を診断する検査ではないので、ハイリスクなら精密検査が必要。現時点で「異常なし」でも、後にがんが発生する可能性があるので継続して注意しておいた方がいいという。

 「高額な検査ではありますが、内視鏡検査を嫌う人や早期発見が難しい膵臓がんを心配する人は、他の検査と上手に組み合わせるのがいいでしょう」(新井貴)

 【検査費用は?】

 自由診療で医療機関によって異なる。弥生ファーストクリニックの場合、事前予約制で12万円(税別)。

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