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【中原英臣 あの医療情報 ウソ?ホント!】体の危険信号かも? 体調のサイン「汗」に注意

 連日のように真夏日が続いています。気温が上がれば汗がでるのは、人間にとって大切な生理現象です。体温を一定に維持しないと生きていけない私たち人間は、汗をかくことによって体温を調節しています。

 注射をするときにアルコールで消毒されると皮膚がヒヤリとするのは、アルコールが蒸発することで皮膚から熱が奪われるためです。人間はこれと同じ原理で、汗が蒸発するときに熱を奪うことで調節しています。

 こうした汗を温熱性発汗といいますが、「手に汗握る」「冷や汗をかく」という言葉があるように、汗には精神性発汗もあります。

 汗は汗線から分泌されますが、この汗線があるのは人間だけです。動物たちは汗をかくことができないので、いろいろな方法で体温を調節しています。イヌは舌を出しハァーハァーして口の中に冷たい空気を吸い込んで熱を下げますし、ブタは体になすりつけた水を蒸発させることで体温を下げます。

 汗には生理的でなく病的なものもあります。多汗症という病気があります。体温調節とは関係なく手のひら、わきの下、額などから大量の汗が噴き出すのですが、交感神経が乱れることで汗腺から汗が過剰に分泌されるのです。

 体の危険信号としての汗もあります。体温調節の中枢がある脳の視床下部に脳腫瘍ができたときや糖尿病の治療薬で低血糖になったときにも多量の汗をかきます。甲状腺機能亢進症になると甲状腺ホルモンが増加して基礎代謝が高まるので、体温が上がって汗をかきます。

 このような病的な汗には注意してください。

 そうはいっても夏に汗をかくのは健康であることの証しです。昔から「快眠、快食、快便」という言葉がありますが、今年の夏は「快汗」を加えて「快眠、快食、快便、快汗」を健康の指標にしてほしいものです。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)

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