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【大腸がん治療最前線】臨床試験中の国家PJ 「8Kスーパーハイビジョン技術を用いた腹腔鏡手術システム」とは (1/2ページ)

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 今年4月、直腸がんに対するロボット支援下手術(ダヴィンチ治療)が保険収載された。直腸は骨盤内に位置し、周辺に排尿機能や性機能などを司る神経が走行するため、ロボット支援下手術の技術によって、それらの機能温存などが期待されている。ただし、直腸の上に位置する結腸がんは保険適用外のままだ。

 現在、結腸がんに対しては、腹部に小さな穴を開け、棒のような医療機器を4~5本挿入して行う腹腔鏡下手術が普及している。しかし、医師が狭い空間内で自ら棒のような医療器具を操らなければならないため、技術習得には慣れが必要だ。また、患部を映し出す内視鏡カメラと、他の医療器具がぶつかるようなことも起こる。

 その操作性の向上のため、国立がん研究センターが国家プロジェクトの共同研究で、「8Kスーパーハイビジョン技術を用いた腹腔鏡手術システム」を開発し、昨年度から臨床試験をスタートさせている。昨年度は2例、今年度は23例の手術を予定しているそうだ。

 「超高精細な8K画像で、全体像とズームインした患部を同時に2つのモニターに映し出すことで、精細な手術が可能になります。安全性と有用性を確認した上で、先進医療につなげたいと思っています」

 こう話すのは、国立がん研究センター中央病院大腸外科の金光幸秀科長。金光科長が率いる手術チームは、大腸がんの開腹手術はもとより、腹腔鏡下手術やロボット手術も多数手掛け、治療成績の向上に努めている。

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