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【高血圧ギモン解決】上の血圧180を一気に120まで下げてはいけないの? (1/2ページ)

★東京医科大学病院・腎臓内科学分野 菅野義彦主任教授

 Q.上の血圧180を一気に120まで下げてはいけないの?

 A.腎臓などの臓器へのダメージが大きい。段階的に下げることが大切

 気温が上昇すると自律神経などの働きで、高血圧の人も血圧は下がる傾向にある。血圧による脳卒中や心筋梗塞の死亡リスクは、120/80未満(単位・mmHg)で減少することから、この値は至適血圧といわれる。

 ところが、高血圧の専門医によれば、上の血圧180の人が一気に120まで下げてはいけないという。なぜダメなのか。

 「血圧を急激に下げると、全身の血液量が不足して臓器にダメージを与えます。その代表的な臓器が腎臓なのです。腎臓は、一度悪くなると元には戻りません。臓器へのダメージを防ぐには、徐々に血圧を下げることが重要なのです」

 こう説明するのは、東京医科大学病院腎臓内科学分野の菅野(かんの)義彦主任教授。高血圧と腎臓病の診断・治療、最先端の研究を長年行っている。

 血液は体の各部分に酸素や栄養素を運び、不要な成分などは排出するために回収している。脳への血流不足はめまいや意識障害などにつながり、心臓に血液が足りないと動悸(どうき)や痛みなどを引き起こす。腎臓への血液量が減ると腎臓の濾過(ろか)装置(糸球体など)がダメージを受ける。血液量が少ない状態では、腎臓の濾過装置も上手く機能できずに破たんするのだ。

 「熱中症で体内の水分量が不足したときも、腎臓機能は低下します。水分を補給することで腎機能は回復しますが、完全に回復しきれないこともあります。急激な血圧降下でも、ダメージを受けた腎機能が戻らなくなることがあり、機能低下を促進させるリスクを高めてしまうのです」

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