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【安達純子 健康寿命UP術】「歩行速度」意識すると認知症リスク低減 膝が痛いときは無理のない範囲で (1/2ページ)

 近年、歩行速度が認知症など健康寿命に関わることがわかってきた。東京都健康長寿医療センターなどの研究報告では、歩く速度が遅いほど介護を必要とするリスクが高まり、認知症のリスクも上がることが分かっている。一方、有酸素運動や筋肉トレーニングを行う高齢者は、脳の容積が増えて認知症のリスクも低減するなど、運動と健康寿命延伸の関わりは深い。

 「歩行速度が速いことは、健康寿命を延ばします。高齢であっても、歩行速度を速くすることは可能です。少しだけ速く歩くことを意識すればいいのです」

 こう話すのは、東京都健康長寿医療センター高齢者健康増進事業支援室の大渕修一研究部長。長年、健康寿命を延ばすためのさまざまな研究を行っている。

 歩行速度といっても、「自分は速いのか、遅いのかわからない」という人もいるだろう。厚労省の年代別の歩行速度の基準は、40代で120m/分、50~60代は115m/分。それを簡単に知るために、大渕部長は民間企業が提供するスマートフォンの無料の歩行速度健康促進アプリ「チャミ」の開発に協力した。

 ダウンロードして自分の位置情報の影響をアプリに許可すると、歩行速度が自動で測定され、健康状態がチェックできる仕組みだ。

 「歩行速度によってAIアバター(=仮想のキャラクター)である『チャミ』からアドバイスも得られるので、運動不足の状態や食事の注意点なども知ることができます。このような個人の歩行速度を上げる取り組みが、社会的にどのような影響を与えるかの研究も支援してます」

 一昨年、大渕部長が支援して民間企業と北海道伊達市が行った共同研究では、60歳以上の約150人の住民に歩行速度健康促進アプリを使用してもらい、国民健康保険等の医療費の推移を調べた。すると、アプリ使用から3カ月後には医療費が下がり始め、年間に換算すると医療費を約1割下げるのではないかと推計されたそうだ。

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