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【松浦達也 肉道場入門!】“偏見”に終止符打った神田・味坊の「羊肉×クミン」革命 (1/2ページ)

 20世紀から21世紀に変わる頃、羊の肉--ラム肉はいまほどの人気を獲得していなかった。それまで羊肉は、北海道のジンギスカンに代表される甘辛い味つけで、一定の支持を得てはいたが、独特の風味のある羊肉は「クセのある好き嫌いの多い食材」というジャンルに押し込められていた。

 ところが、2000年、東京・神田に開店した「味坊」の羊肉の串焼きがそんな“偏見”に終止符を打った。

 「味坊」の羊肉は根本的なアプローチが違っていた。中国・黒竜江省出身のオーナー、梁宝璋さんが味の決め手として選んだのはクミン。

 羊肉の串焼きに、香ばしいゴマ、鮮烈な唐辛子、そして独特の芳醇さを持つクミンを振る。するとラム肉独特のクセが弾けるような力強いうまさに変化する。

 もともと日本人にとって、クミンという外来のスパイスの香りは決してなじみやすいものではなかった。

 だが「羊肉×クミン」は中国東北地方の定番だった。モンゴルや中央アジアの国々でもおなじみの「出会いのもの」とも言える組み合わせだ。

 「味坊」でラム肉との相性の良さを知った常連の盛り上がりが局地的なブームへとつながり、その様子をメディアが取り上げ、新たな客が店に足を運んだ。

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