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【ぴいぷる】個々の意思を貫け! 鴻上尚史氏「社会の息苦しさ取り除いていきたい」 9回生還した特攻隊・佐々木友次さんの生き様に惹かれ (1/3ページ)

 「ブラック企業やブラックバイト、ブラック校則など、本当に息苦しい組織の中で、『もうダメだ』とか『もう逃げ道はない』と思っている人たちの希望の光になったらいいなと思っています」

 先の大戦で、陸軍の特攻隊の一員として9回出撃し、9回生還した佐々木友次(ともじ)さんを描いた著書『不死身の特攻兵』(講談社現代新書)が売れに売れている。

 佐々木さんは偶然に生き残ったわけではない。上官の命令に抵抗し、意図して生還を果たしたのだ。「今度帰ったら、承知せんぞ!」「恥さらし」と非難されようと、信念を貫いた。当時21歳。現代でさえ、企業で若い社員が上司にあらがうのはそう簡単ではない。戦時中の軍隊では、さらに難しかったに違いない。

 そんな希有な存在と言える佐々木さんの存在を知ったのは2009年のことだった。特攻隊について書かれた本に紹介されていた。強烈な興味を惹かれた。

 終戦からすでに70年近くが経ち、「歴史の中の出来事だろうと思っていたので、ご存命とは夢にも思っていませんでした」。

 15年、生存しているという知らせが寄せられ、同年10月、札幌の病院に入院していた佐々木さんに会いに行く。その後、12月まで計5回のインタビューを重ねた。

 当初は本にするつもりはなかったが、話をするうちに考えが変わった。「この人のことを日本人に知らせたい。この人のことを書こう」。小説の形を取った『青空に飛ぶ』(講談社)に続き、ノンフィクションとして出版したのが『不死身の特攻兵』だった。

 本の帯の裏には「“いのち”を消費する日本型組織に立ち向かうには」と書かれている。担当編集者が書いた文章だった。それを見たとき、なぜ佐々木さんに惹かれたのか分かったという。

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