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【ドクター和のニッポン臨終図巻】日高晤郎さんのリビングウィル「マイクの前で死にたい」 (2/2ページ)

 日高さんがなった脂肪肉腫も、体中のどの臓器にも発生する可能性があります。ほとんど痛みはなく、大きくなった瘤(コブ)に気がついて病院に行き、この病気が判明することが多いようです。肉腫自体の痛みはないものの、大きくなると神経や周囲の組織を圧迫したり、他臓器に転移するとさまざまな症状が現れてきます。

 詳しいことはわかりませんが、もしかしたら日高さんも瘤が相当大きくなった状態で初めて病院に行ったのかもしれません。

 16歳で役者デビューした日高さん。若い頃は日々、食べるものにも困るほど、不遇の時代が続いたようです。それでも続けられたのは、「何があっても笑いというエネルギーに変えてやろう」という気持ちがあったからだとか。ギリギリまで仕事を続けられた理由はここにあるのでしょう。

 そして、「マイクの前で死にたい」という日高さんのリビングウィル(生前の遺言)は、ほぼ叶ったも同然の旅立ちだったと思います。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。近著「薬のやめどき」「痛くない死に方」はいずれもベストセラー。関西国際大学客員教授。

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