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【安達純子 血圧を下げる新常識】脳心血管病発症のリスク下げる新基準 高血圧予防「5本の柱」 (1/2ページ)

★血圧130目標編

 国内では、診察室測定で140・90(単位=mmHg)未満、家庭血圧測定で135・85未満が正常範囲といわれる。ところが、2015年に米国で発表された米国の「SPRINT」研究(50歳以上の高血圧患者を対象)では、さらなるリスク低減の値が示された。この研究では、個室に長時間、患者1人で安静にして測る自動診察室血圧測定値を採用。薬の服用により140未満の群と120未満に下げる群の比較で、後者の方が心血管病の発症率や全死亡率が低かった。この報告を受けて日本でも「日本版SPRINTパイロット試験」が進行中だ。

 「17年11月に公表された米国の高血圧治療ガイドラインでは、130/80未満の目標値が示されました。従来は140/90未満でしたが、自動診察室血圧測定の使用も考慮し、診察室血圧測定の目標値をより低く設定したのです。今後、日本でも厳格になる可能性はあります」

 こう説明するのは、帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座の大久保孝義主任教授。約30年前にスタートした岩手県花巻市大迫(おおはさま)町の疫学研究(大迫研究)で、高血圧と病気などのリスクについて、長年調べている。

 大久保教授の研究では、薬の服用で家庭血圧測定値を130未満まで下げると、5年間の脳心血管病発症リスクは1%未満になった。130という数字は、将来の病気発症リスクを減らす可能性がある。

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