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【松浦達也 肉道場入門!】「肉そば」の原型! 江戸時代に大ブレークした「鴨南蛮」 (1/2ページ)

 現代では立ち食い店でも食べられる「肉そば」や「肉うどん」。その原型となるのが「鴨南蛮」である。

 鴨南蛮が登場したのは、江戸時代の文化年間(1804~1818)頃という説が有力だ。江戸馬喰町の鞍掛橋のたもとにあった「笹屋」が長崎の「南蛮煮」を元に考案したそばが「鴨南ばん」という品書きになったという。

 実は原案となった「南蛮煮」にはふた通りの解釈がある。ひとつは「主たる材料をねぎや唐辛子と一緒に煮たもの」という素材由来の解釈。もうひとつは「油で炒める、揚げる」という解釈だ。

 現在でも青唐辛子を指して「ナンバン」と呼ぶ地域はある。後者は1830(天保1)年に発刊された『嬉遊笑覧』にも「昔より異風なものを南蛮と云」とあり、油で加熱するという洋風の新しい手法を指して「南蛮」と称したとも考えられる。

 ともあれ、江戸末期にかけて「鴨南ばん」は大ブレーク。二代目の「伊勢屋藤七」が店を継いだ頃には、江戸の名物としてさまざまな番付表にも顔を覗かせるようになった。そして明治の中頃、三代目が店名を「元祖鴨南ばん」に変更し、さらなる隆盛を誇るように。

 ところが大正12年に起きた関東大震災の大火事で店舗を消失。翌年、若手の「杉山喜代太郎」が四代目となり、店の職人たちとともに店を再興したのだとか。

 にもかかわらず、この主人、震災からの日本橋の復興・復旧に夢中になり、区議会議員になってしまう。

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