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【ドクター和のニッポン臨終図巻】人知れず「終活」行った有賀さつきさん、強く賢く叶えた平穏死 (2/2ページ)

 昨年亡くなられたフリーアナウンサーの小林麻央さんのようにブログで経過をつづることを生きる勇気に変える人もいるでしょうし、その逆で隠し通すことで生きていける人もいるでしょう。

 かく言う私も医者の不養生で、もし自分ががんになっても、誰にも明かさないかもしれません。だから有賀さんの気持ちが、なんとなくわかるのです。

 有賀さんは昨年末までに銀行口座を整理し、今年からの仕事は介護を理由に断るなど、人知れず「終活」を行っていました。なんと強く賢い女性なのでしょうか。世阿弥の「秘すれば花なり」という言葉を彷彿とさせる逝き方です。

 おそらく、最期を託す医師についても納得いくまで、ご自身で探していたような気がします。

 お父さまの話によれば、病院に入院したのは最期の2週間だけで、死ぬ間際まで、普通に会話ができ、一人でトイレにも行けていたといいます。つまり有賀さんは、急死どころか、完璧な平穏死をされたのではないでしょうか。

 どういう最期を迎えたいのか、しっかりイメージされ、延命治療を希望しないことも医師に伝えていたのでしょう。そうすれば、自宅でなく病院でも平穏死はかなうということを、有賀さんは教えてくれました。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。近著「薬のやめどき」「痛くない死に方」はいずれもベストセラー。関西国際大学客員教授。

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