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【ドクター和のニッポン臨終図巻】星野仙一さん、闘い抜いた男の平穏死 がんの痛み抑えるモルヒネを最期まで拒否 (1/2ページ)

★星野仙一さん

 憧れの人でした。氏名の前に「男」とつけるのがこれほど似合う人はもう現れないでしょう。男・星野仙一が、流星が燃え尽きるごとく真冬の空に消えました。

 星野さんの魅力の原点をいくつか探してみました。父親が不在だったこと。地元愛が強すぎたこと。そして大の負けず嫌い。そんな星野さんはごく近しい人にしか、がんであることを明かさないまま70歳で逝きました。

 膵臓(すいぞう)がんと診断されたのは2016年の夏。急性膵炎がきっかけで、がんが発覚しました。膵臓は胃の後ろ側にあるタラコのような形をした臓器。血糖を下げるインスリンを分泌するとともに食べ物の消化に必要な酵素を分泌するという2つの大切な役割を担いながらも目立たない、しかし重要な臓器です。

 膵臓がんは、ほとんど無症状なため早期発見が困難ながんです。星野さんのように腹痛を伴う急性膵炎をきっかけにして発見されたときは、かなり進行した状態であることが多いのです。アルコール、喫煙、糖尿病、脂肪摂取過多などが大きなリスクです。ハイリスクの人は早期発見のため定期的に腹部エコーと腫瘍マーカーを測ることが大切。以前この連載で取り上げた大相撲の九重親方(元横綱・千代の富士)やジャーナリストの竹田圭吾さんも膵臓がんでした。

 星野さんは発覚時に余命3カ月と告げられ、手術はできなかったようです。膵臓がんへの抗がん剤は効果がある薬が開発され、余命数カ月といわれながらも年単位で元気に活躍されている人を散見します。もはや膵臓がん=絶望とはいえない時代になりつつあります。

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