記事詳細

【マンガ探偵局がゆく】ちばてつや「ハリスの旋風」はサッカーマンガ第1号 背景に東京五輪や日本サッカーリーグのスタート (2/2ページ)

 学生サッカーでも京都の山城高校から早稲田大学に進んだ釜本邦茂が、63年の関東学生リーグで11得点を挙げて得点王になり、チームを優勝に導いた。釜本は4年連続で得点王に輝き、64年の天皇杯では東洋工業(現サンフレッチェ)を破って早稲田に優勝をもたらすなど、一躍スター選手となった。

 『ハリスの旋風』に続くのが、62年から68年にかけ『少年』に連載された関谷ひさしの『ストップ!にいちゃん』だろう。主人公の南郷勇一がスポーツ万能の中学生という設定は『ハリスの旋風』と共通している。勇一は68年5月号と6月号でサッカー部の創設に参加する。

 このあと67年秋に行われたメキシコ五輪に向けたアジア予選で日本は得失点差で韓国を振り切って優勝。オリンピックへの切符を手に入れ、サッカー熱がいやがうえにも盛り上がっていく。

 翌年のオリンピックで日本サッカーは夢にまで見た銅メダルを獲得。その栄光への道のりは、70年から『週刊少年キング』に連載された梶原一騎・原作、園田光慶・画の『赤き血のイレブン』に描かれ、サッカー少年を増やす原動力になったのだった。

 ■中野晴行(なかの・はるゆき) 1954年生まれ。フリーライター。京都精華大学マンガ学部客員教授。和歌山大卒業後、銀行勤務を経て編集プロダクションを設立。1993年に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』(筑摩書房)で単行本デビュー。『謎のマンガ家・酒井七馬伝』(同)で日本漫画家協会特別賞を受賞。著書多数。2014年、日本漫画家協会参与に。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース