記事詳細

【飯田達哉 酔いどれ師匠の酒場探訪】酒も進む「めし」屋の実力、350円プラスすれば定食に めし板垣(東京・四谷三丁目) (1/2ページ)

 甲州街道と外苑東通りが交差する東京・四谷三丁目。四ツ谷駅方向に向かって「フルーツフクナガ」の先を右折すると、アニメ映画「君の名は。」で有名になった須賀神社の参道へと続く路地。すぐ右手に大きく「めし」と書かれた看板。よく見るとその横に小さく「板垣」とある。

 ガラス張りで混み具合がよくわかる外観。中に入るとL字型のカウンターのみで10席ほど。カウンター内には、いかにも「大将」という雰囲気の恰幅のいいご主人が立つ。15年ほど前にこの店を立ち上げ、一人で厨房を切り盛りする板垣吉宣さんだ。

 短髪に作務衣(さむえ)姿。一見こわもてだが笑顔がやさしく、親しみやすい人柄だ。よく通る太い声は、長唄を趣味にしているせいだろうか。島根生まれの板垣さんの経歴はなかなか変わっている。高校卒業後、大阪で働いていたが、ある日ふと旅に出てしまう。北海道に着いた頃は文無しになったが、運良く旭川・層雲峡の温泉旅館で働けることになり、数年を過ごす。

 その後、東京・六本木でカラオケスナックを経営している先輩に誘われて働くことになり、厨房も任されるようになる。我流ではじめた料理だが次第にその面白さに目覚め、「六本木では美味しいサバの塩焼きが食べられる店がなかったので、庶民的な和食中心に作った」とのこと。そして念願かなって四谷三丁目に店を出すことになった。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう