記事詳細

痛みに強い 心身の苦痛克服をサポート、トータルケア普及に尽力 国立がん研究センター中央病院の支持療法開発センター (1/2ページ)

 がんと告知を受けて治療を受けるときには、がんになったショックや治療に伴う痛みなど、心身の苦痛を伴うが、それらを和らげる方法はある。

 手術や化学療法、放射線療法の副作用対策を「支持療法」といい、がんに伴う痛みなどには「緩和ケア」、心理的な側面へのアプローチは「サイコオンコロジー」という。それらのトータルケアを開発し、実践普及に尽力しているのが国立がん研究センター中央病院の支持療法開発センターだ。

 昨年、多施設共同研究を行う日本がん支持療法研究グループ(J-SUPPORT)を設立し、臨床研究やエビデンス(科学的根拠)に基づく治療法の開発を行っている。

 「超高齢化社会の中で、がんになる患者さんは増えています。早期がんであっても治療の副作用は多く、手術のキズに伴う痛みを強く感じることはあります。再発による不安など、患者さんのQOL(生活の質)の低下を防ぐことが、今後、さらに求められると思います」

 こう話す内富庸介部門長は、サイコオンコロジーの第一人者で、トータルケアのモデルとなるシステムの開発・普及を行っている。

 たとえば、肺がんのステージIIの手術を受けて、術後の疼痛(とうつう)に悩まされる患者がいるとしよう。身体が痛むため「どうせ、自分のがんは再発するのだから」とひどく落ち込み、さらなる治療を拒否したときには、担当医だけでの対処は難しくなる。

 「がんは、インフルエンザのように、人生の中で何度も発症する病気ではありません。そのため、患者さんはどのように対処していいのか、わからないことが多いのです。それをセルフで克服していけるようにサポートすることが、これからの医療には必要といえます」

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース