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【真打 立川志らべ 口先先行一車】競輪史上最強と言っていい走り 高座休んでも脇本見に行く?!

 本当は違うことを書こうと思っていたんですが、日曜日まで行われていた寛仁親王牌のことを書かずにはいられねえでしょう。

 ご存じの通り、圧倒的な機動力で脇本雄太(福井)が逃げ切りでのV。

 先週、このコラムで書いたように、初日から圧巻のパワーでした。単騎で挑んだ2日目のローズカップだけは4着で、準決勝、決勝と他を寄せつけない逃げ切り。

 GIを逃げ切りで勝つのってこんなに簡単だっけ? と思いましたね。私も、「逃げられれば勝ちだ!」と、食い逃げ犯みたいな了見で予想してました。

 ただ、初日の“与太郎よそう”で弟弟子のらく人が触れていたように、某スポーツ紙では作家の伊集院静さんが“ナショナルチームの新田と脇本は自分だけ勝てればいいというレースばかりしてけしからん!”というようなことを書いておりました。

 大先輩に対してですが、それはちょっとあんまりじゃないかって思います。新田祐大(福島)に対して言うならまだわからなくもないですが、脇本の番手からどれだけGI覇者が誕生したことか。それはラインを意識した走りをしてきたからであり、近畿の選手の中でもまれてきたというのも大きいでしょう。今回も東口善朋(和歌山)とのワンツー寸前でした。

 脇本1人があまりに強くなったために、番手の選手が付きにくくなっているだけのこと。あれだけ逃げている選手に“自分だけ勝とうとしている”は、あまりにも人情がない。

 競輪は一番にゴールラインを駆け抜けた人が勝ちなわけで、差せない走りをする脇本がスゴイのだ。いや、すごすぎる? のだ。

 あれだけの知名度がある人が、競輪史上最強と言っていい選手の走りに、“競輪が面白くなくなった”と言うのはちょっとね…。あの速さにワクワクしないのかな?

 私なら、「今、脇本雄太って競輪の歴史で一番強い奴がいるから、仕事休んででも競輪場で見るべきだ!」と言うな~。

 そして、マークした東口は意地を見せたと思うぞ!

 別府ナイター2日目12Rはオールドファンの伊集院静さんも好きそうな大塚の逆転狙おうかな。松川の逃げから大逆転で〔1〕⇔〔5〕-〔7〕。

 伊集院静先生、尊敬してます!

 ■立川志らべ(たてかわ・しらべ) 1975年9月3日生まれ。静岡県伊豆の国市出身。落語家。2000年に立川志らくに入門。07年に二ツ目昇進。18年10月に真打昇進。趣味は音楽鑑賞、サッカー観戦。競輪の造詣が深く、好きな選手は村上義弘(京都・73期)。本紙競輪面にコラム『真打 志らべの口先先行一車』を連載中。