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【当てちゃる券】忘れられないのは今も頑張ってる九州の某マーク屋が放った一言

 レース前日、検車場に入ると選手は強い弱いに関係なく全員が取材を受ける。まず記者から聞かれるのは調子の良し悪し。

 たとえ不調でも「調子は普通です」とコメントする。勝負の前に弱気なことは言えないもの。メンバーを見て、せっかく地元でウマ付きなのに競られるベテランマーク屋も「競りは関係ないよ、自分のレースをやるだけ」と平静を装うが、「地元で競りかよ…」が本音(笑)。

 また、特進をかけたルーキーにぶつけられた中堅先行選手は「簡単には負けられない」とは言いながら「俺は当て馬か…」と走る前からお手上げ状態(笑)。

 売り出し中の若手先行屋が格上に挑むとき「明日は○○さんの胸を借ります」ならやる気を感じるが、たまに「順番が来たら逃げます」とほざくバカがいる。順番てジャンケンでもするんかい?

 昔の新人はこう言った。「バックがゴールと思って逃げます」。昭和のマーカーにはまだカッコいい選手がいた。競るときは一切言わず「○○のハコ」。

 ラインのないときは「前々自在」とか「先手ラインに乗って」とぼかすのは考えてもレースが見えないとき。番組が当てにしていたウマを付けてくれなかったら「前とって番手勝負!」と少しやけ気味なコメントになる。

 忘れられないのは今も頑張ってる九州の某マーク屋が放った一言「○○のヨコ」。彼の恐ろしさが伝わってくる…。コメントをよく読むと選手の本音が見え隠れする。

 青森ナイター2日目準決勝10R。先行1車の寺沼が逃げ切る。大ベテラン・幸田が食い下がり〔4〕⇔〔3〕-〔1〕〔2〕〔7〕。

 11R。鈴木が市川を引っ張って押し切る〔3〕⇔〔5〕-〔1〕〔4〕〔2〕。

 12R。地元の栗林が奮起。桜井とラインでワンツーを決める〔5〕⇔〔1〕-〔2〕〔3〕〔4〕。(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。