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【新橋のネクタイ巻き TV視てますか?】五輪開会式の裏で「勝者に報酬はない」重ね合わせる秋元康氏の恐れ入る胆力 「漂着者」 (1/2ページ)

 「東京オリンピック2020」が終わった。会期中、朝ドラ以外のドラマは見なかった。見る必要がなかったからだ。閉会式の翌日、つき物が落ちたようにテレビの風景が元に戻ったのには面食らったが、祭りのあとの寂しさは捨てがたい。非日常と日常の入り交じった香ばしいブレンド風味。しかも4年(今回は5年)ぶり、いや57年ぶりの味がする。

 半月ほど録りためたドラマから、食指の動く順に手を付けてみた。まずはテレビ朝日の金曜ナイトドラマ『漂着者』(企画・原作・脚本=秋元康)から。7月23日の『開会式』の真裏で、ほとんど絶望的にスタートしていた。だが、冒頭を見るや、ぶったまげた。

 女子高生3人組が新潟の海岸に倒れている全裸の男(斎藤工)を見つける。スマホで動画を撮りながら近づくと、男が突然顔を上げ、「勝者には何もやるな」とつぶやいたのだ。映画史上ベストワンの誉れ高いオーソン・ウェルズ監督・主演の『市民ケーン』の冒頭、新聞王が「バラのつぼみ(rosebud)」という謎の言葉を残して息を引き取るという有名な始まり方を思わせる。

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