武田真治「“宇宙子連れ狼感”たまらない」 小堺一機「マンダロリアンって三船敏郎さんじゃないの」 スター・ウォーズ大好き芸能人が熱トーク
シーズン2の配信が始まり、いやが上にも興奮が高まってくる『マンダロリアン』。『スター・ウォーズ』(SW)であって、『スター・ウォーズ』でないにもかかわらず、なぜ魅了されるのか。芸能界きってのSWファンであるタレント、小堺一機(64)と武田真治(47)が、その魅力を語り尽くした。
--『マンダロリアン』は筋金入りのSWファンも納得でしょうか
小堺「僕は日劇で『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を見たとき、冒頭のスター・デストロイヤーの大きさに驚いてね。それまで“糸”が見えてるのが当たり前だったのに、糸の見えない特撮にもびっくりして。今回、SWを継承していると思うのが、主人公の宇宙船がピカピカでないところ!」
武田「そこ、大事ですよね。オールCGというか、この世に一度も存在しなかったものって、温度を感じなくて感情移入できないんです。やっぱりちゃんと作ったり、人が演じたりしてくれることで、感情移入がしやすくて、宇宙の果ての物語なのにどこか身近なものに感じられますよね」
小堺「今回はそのへんもうまく加味していて、CGのところもあるけど、ザ・チャイルドはパペットでしょ。若い世代がすごくうまく継承している感じがするんですよね。あと、酒場もよく出てきますよね」
武田「酒場大好きですよね。何かあればとりあえず酒場に入りますよね」
小堺「よくこんな怖い酒場入るなあっていう酒場(笑)。絶対なんかあるよ、ここ! って感じのね。マーク・ハミルもバーテンダーの声だけで出ているそうだし」
武田「えっ、そうなんですか!」
小堺「憎いことをしてくれますよね」
--それこそ「AT-ST」や「タトゥイーン」なんて、ファンはくすぐられますよね
小堺「そうなんです、絶妙なブレンド。スタッフって若いんでしょ。素晴らしいですよ、よく勉強してる」
--SWというと日本文化へのオマージュで知られますが、『マンダロリアン』でも端々に見られますね
小堺「SWに脈々と流れていた黒澤(明)イズムが『マンダロリアン』にもありますよね。シーズン1のエピソードにも、これは『七人の侍』じゃないかというのがあって。武士道っぽいところがね、すごいうれしくなっちゃいますよ。日本人としては」
武田「野武士をやっつけるぞみたいなエピソードですよね。本当にうれしいです。この作品の枕詞(まくらことば)みたいにもなっている“宇宙子連れ狼感”もたまらないですよね」
--マンダロリアンはその教義に基づいて、ザ・チャイルドを保護するようになりますね
武田「シーズン1では、ザ・チャイルドを守る理由が『俺も孤児だったから』とそれだけですよね。無条件で守るカッコよさですよ」
小堺「あれも『七人の侍』で三船敏郎さんが演じた菊千代みたい。子供を助けて『この子は俺と一緒なんだ』っていうシーンがありましたよね。『七人の侍』ファンなら、マンダロリアンって三船さんなんじゃないのって思うでしょう」
武田「結果的にフォースを持っていることに気づくんですよね、マンダロリアンは。でもザ・チャイルドは子供。で、ここに子供たちこそが未来だという教えがあるような…」
小堺「なるほどね」
--これからの展開には何を期待しますか
小堺「僕はね、リクエストなんてないです。とにかく、続きを早く作ってほしいね。シェフのおまかせコースをちょうだい! というくらい気持ちがブッ飛んでますので。嫌いな料理には絶対にならないはずです。新しいものを作ったけれど、秘伝のタレを受け継いでますっていう感じでしょ。そこに身を委ねて楽しみたい。毎回頭を空にして見るという楽しみ方ですね」
武田「おっしゃる通りです。マンダロリアンの面白さって、絶対的な蓄えがあるわけではなく、その都度働かせてくれというスピリット。ザ・チャイルドのために依頼を受けて仕事をするというストーリーは続けてほしいです。ザ・チャイルドのフォースで物語は大きく動くでしょうが、ブラスターを1丁買うために仕事で稼ぐというのはあっていい。そこが今の時代にあっているんじゃないですか」
小堺「オールマイティーなヒーローではない」
武田「生まれ持ってのヒーローでもない」
小堺「まだSWを見ていない場合も、『マンダロリアン』から入ってSWを見ても面白いですし、『マンダロリアン』だけでも面白いと思っていただけますね」
武田「大人も子供も楽しめます。コロナや働き方改革で家にいる時間が多いので、何か動画を見るなら、この作品を見てほしいですね」
■武田真治(たけだ・しんじ)1972年生まれ。ドラマ、映画、舞台のほかサックスプレイヤーとしても活躍。最近はNHK「みんなで筋肉体操」が話題に。2年連続「NHK紅白歌合戦」出演。今年、芸能生活30周年を記念し、アルバム「BREATH OF LIFE」を9月9日にリリースした。
■小堺一機(こさかい・かずき)1956年生まれ。84年フジテレビ「ライオンのいただきます(後にごきげんよう)」の司会に抜擢される。サッカーの本田圭佑選手がCEOを務める各界のトップランナーの「声」が聴き放題な定額制音声サービス「Now Voice」に参画中。