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【シネマパラダイス】スターの陰でボクシングにしがみつくかませ犬の生き様 「アンダードッグ 前編・後編」

 ボクシングに目覚める女性を描いて多くの映画賞を受賞した『百円の恋』から6年、武正晴監督、足立紳脚本ら製作陣が再結集した。今回もテーマはボクシング。スターの陰でボクシングにしがみつく《かませ犬=アンダードッグ》の痛くて切ない生きようを描く。上映時間=前編131分、後編145分。2作とも27日公開。

 (前編)デリヘルの運転手をしながらリングに立ち続ける末永晃(森山未來)はエキシビションマッチへの出場を打診される。相手は有名俳優を父に持つお笑い芸人の宮木(勝地涼)で彼はこの試合にすべてを賭けていた。試合を放映するテレビ局は八百長試合を提案するのだが。

 (後編)児童養護施設で育った大村(北村匠海)は末永と出会ってボクサーになり、連戦連勝中だが、過去の悪事がたたる。そんな彼の望みは《かませ犬》ではない末永と戦うことだった…。

 【ホンネ】前・後編で計276分は長いが、ボクサーの生活や家庭事情やトレーニングなど描写はムダがなく濃密。3人の男たちの崖っぷち人生と言葉にならない怒りと哀愁に引き込まれる。 ★★★★★(映画評論家・おかむら良)

 ★5つで満点、☆=星半分

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