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【映画三昧の独り言】第8回「シェーン」 殺し屋の烙印背負った凄腕ガンマン、子どもの頃のヒーローは「技」を持つ身近な大人だった (1/3ページ)

 子どもの頃のヒーローといえば、ふつう映画スターや歌手、テレビや漫画の主人公、スポーツ選手などでしょうが、一方で、意外と身近な「大人」だったという覚えはありませんか。例えば道具を巧みに使い木の家を建てる大工さん、川で魚をいっぱい捕まえる近所のおじさん、柔らかな豆腐を水から掬(すく)い上げて器用に切り分ける豆腐屋さん等々。子どもに真似のできない「技」を持っているこういった大人は子どもにとってヒーローであり、そんな大人への憧れは、子ども時代のある時期、誰もが抱く感情なのではないでしょうか。

 アメリカ西部劇の名作「シェーン」(1953年、ジョージ・スティーブンス監督)の主人公・シェーン(アラン・ラッド)は、まさにそんな、子どもが憧れる「技」を持つ大人です。

 南北戦争後の西部。開拓者、ジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)の幼い息子、ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)は、弾を抜いたライフル銃で鹿を狙っています。早く大人のように鹿を倒したい。開拓一家の少年らしい思いを持つ男の子です。そこに現れたのが北へ向かう途中のシェーン。シェーンが水を飲んでいると、後ろでライフルを操作する音。シェーンはすかさず相手を倒さんばかりの殺気で拳銃に手をかけます。ライフルを手に驚くジョーイ。凄腕のガンマンであることはジョーイにもわかります。

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