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【シネマパラダイス】現代社会が抱える孤独を正面からとらえた「クローゼット」

 深川栄洋監督や青山真治監督らの助監督出身で、『ヌヌ子の聖☆戦 HARAJUKU STORY』を手がけた進藤丈広監督が、取材をもとにした人間ドラマに挑戦している。心のSOSをうまく発信できない人々と、彼らを受け止めて〈添い寝屋〉することで、自分を取り戻していく主人公のシリアスな関係が興味深い。上映時間95分。30日公開。

 バイク事故で男性機能を失ったジンこと神野佑(三濃川陽介)は、婚約者から逃げるように東京に出てきた。居酒屋で野球部の先輩・高木(尾関伸次)と出会い、彼が経営する〈添い寝屋〉で働くようになる。恋人に死なれたゲイの有名デザイナー下田(渡辺いっけい)の話を聞き、「死を看取ってほしい」という80代の老女(草村礼子)と出会う。ホストクラブにはまった女子大生に「一緒に死んで」といわれた彼は…。

 【ホンネ】タイトルは、人は心にクローゼットを持っていて本音を隠して生きているという意味。現代社会が抱える孤独を正面からとらえていて、静かに心の奥に入ってくる。★★★★(映画評論家・おかむら良)

★5つで満点、☆=星半分

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