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銀獅子賞受賞、黒沢清監督が海外でウケるワケ 映画記者「当代一のサスペンスの巨匠」 (1/2ページ)

 第77回ベネチア国際映画祭で、最優秀監督賞(銀獅子賞)に輝いた「スパイの妻」(10月16日公開)の黒沢清監督(65)。国内の受賞歴は多いが、2015年にカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で監督賞を受賞したように海外で強いのだ。

 ベネチアで銀獅子賞を獲得したのは、03年の「座頭市」で北野武が受賞して以来。過去に銀獅子賞を受賞した監督は黒澤明、溝口健二、熊井啓ら巨匠ぞろいだ。

 「スパイの妻」は黒沢監督の育った神戸が舞台。1940年、貿易商を営む優作(高橋一生)は出張先の満州で国家機密を知り、世に知らしめようとする。妻の聡子(蒼井優)は危険をかえりみず愛する夫と行動をともにするのだった。

 ピンク映画「神田川淫乱戦争」(1983年)でデビューした黒沢監督が海外で注目されたのは、98年にヨコハマ映画祭作品賞に輝いた「CURE キュア」(97年)がフランスで上映されてからのこと。

 当初は「黒澤明の息子か」と話題になったこともある。カンヌ国際映画祭で「回路」(2001年)が国際批評家連盟賞を受賞したのに続き、「トウキョウソナタ」(08年)で「ある視点」部門の審査員賞、「岸辺の旅」(15年)で同部門の監督賞を受賞した。

 「(審査は)難しかったが、否定しようのない決定だ」と称賛するのは今回の審査員長を務めた女優、ケイト・ブランシェット(51)。2年前にはカンヌの審査委員長として「万引き家族」にパルムドールを授けるなど、日本映画愛に満ちた女優とはいえ、黒沢監督の海外受けはいい。

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