記事詳細

大学生活描きながらもっと奥深いテーマ 吉沢亮と杉咲花の好演も必見 映画「青くて痛くて脆い」 (1/2ページ)

 映画「青くて痛くて脆い」(公開中)の主演、吉沢亮(26)と杉咲花(22)が素晴らしい演技を見せている。特に後半、2人きりで丁々発止、むき身の言葉をやり取りする場面は、手に汗を握る。杉咲演じる大学生、秋好が放つ「気持ち悪い」のひと言は実に残虐で殺意を芽生えさせる挑発力に満ちている。

 秋好は同調圧力をものともしない芯の強さを持つ人格。互いの氏素性も知らない大学1年の授業で、堂々と手を挙げ「みんなが本当に望めば、戦争は終わると思います」と力説してしまう。まるで理想に燃えたジョン・レノンのような感じ。

 そんな彼女に関心を持つのが吉沢が演じる同級生、楓。2人はサークル「モアイ」を秘密結社的に立ち上げる。目標は「世界を変える」という大それたものだ。

 大学生のサークルとはいえ、どんな組織にも政治は存在する。3人以上集まれば派閥ができるのは世の常。ボランティア活動などを行っていた「モアイ」だが、意識高い系の就活サークルに様変わりしてしまう。虎視眈々とした学生が集い、青田買いをする企業の就職担当者が触手を伸ばす。理想とかけ離れた「モアイ」をぶっ壊すと楓は誓い、行動に移す。

 理想を語ることを青臭いとし、正論をたたきつける人を「痛いやつ」とさげすみ、「やばいやつ」とレッテルを貼るのが最近の風潮だ。「世界を今よりよくしたい」と秋好は訴えるが共感は広がらない。

関連ニュース